全世界で26億人を超えるユーザーが利用しており、日本でも2,600万人の月間アクティブユーザーを抱える世界最大のSNS「Facebook(フェイスブック)」。2012年にはInstagramを買収したことでも話題になりました。
今回は、そんなFacebookが2019年3月より提供を開始した「広告ライブラリ」という機能について解説していきます。競合のクリエイティブ調査や自社広告の改善にも活用できるツールですので、ぜひ最後まで見ていってくださいね!
「LP(ランディングページ)」のように、緑色のキーワードは記事の最後でしっかり解説しているので、ぜひ最後まで確認してみてくださいね!
Facebookの広告ライブラリとは
Facebookが提供している「広告ライブラリ」は、2019年に広告の透明性を保証するための機能としてリリースされました。
この機能では、InstagramやMessengerを含むFacebook広告で配信されている広告を、誰でも手軽に検索することができます。
そのため、広告の透明性を開示するという活用法以外にも、例えば競合他社の広告クリエイティブを調査したり、特定のジャンルでどんなクリエイティブが活用されているのかなどを調べることができるのです。
具体的に広告ライブラリを使うことで確認できる内容は、以下の通りです。
- 出稿中の広告の詳細
- Facebookページの詳細
「出稿中の広告の詳細」については、広告の掲載開始日やその広告が掲載されている配信面、クリエイティブのレイアウトが確認できます。
また「Facebookページの詳細」については、Facebookページのいいね!数やInstagramのフォロワー数、ページの作成日が確認できます。
広告ライブラリの使い方
それでは実際に広告ライブラリの使い方について解説していきます。
手順①:広告ライブラリのページにアクセス
まずは「広告ライブラリ」のページを開きます。
手順②:検索条件を指定する
次に、検索したい広告が配信されている「地域(※基本的には日本でOK)」を設定します。「広告カテゴリ」には「すべての広告」を設定しましょう。ここまでできたらキーワード入力欄に任意のキーワードやサービス名、ページを入力して検索します。
※なお、「広告カテゴリ」を「社会問題、選挙または政治関連」を選択すると、Facebookが識別した該当広告が検索可能です。
手順③:検索結果画面で広告詳細を確認する
手順②の通りに検索をかけると、下記のような検索結果ページが表示されます。
各広告の上部では、以下の通り広告の掲載開始日や掲載している配信面を確認できます。
ちなみに緑色の枠線で囲っているマークは「オーディエンスネットワーク」という配信面で、Facebookが提携しているモバイルサイトやモバイルアプリに広告を配信できる仕組みです。
他にも「広告の詳細を見る」をクリックすることで、広告クリエイティブのレイアウトはもちろん、FacebookページやLP(ランディングページ)も確認することができます。
マーケターとしての広告ライブラリの活用方法
実際にマーケティングの現場ではどのように広告ライブラリが活用されているのでしょうか。実際に私たちが普段から行っている活用方法を2つほどご紹介します!
掲載開始日から効果良好クリエイティブを推測する
効果良好な広告クリエイティブを推測する一つの判断軸として、広告の掲載開始日が挙げられます。掲載開始日が昔であればあるほど、効果良好な広告クリエイティブと考えられるからです。
Facebook広告やInstagram広告をはじめとするSNS広告では、継続的に同じ広告を配信すると同一人物に同じ広告が何度も表示されてしまい、広告効果が悪くなる傾向にあります。つまり長期間に渡って配信されている広告はそれだけ効果の良い広告であると考えることができるのです。
配信面と広告の種類から最適な広告配信を推測する
広告が掲載されている配信面や広告クリエイティブのフォーマットから、各サービスや商材ジャンルごとの最適な広告配信方法を推測することができます。
例えば「美容 コスメ」で検索をすると、以下の掲載中の広告が表示されました。
前提として、広告の内容からターゲット層は「美容アドバイザーに興味のある10代後半」がメインであると推測できます。
この広告で注目すべきポイントは「配信面がInstagramのみ」であること、また「広告レイアウトが9:16サイズのフルスクリーン動画」であることです。
Instagramで9:16サイズの広告を配信できるのはストーリーズ面のみであり、ストーリーズであれば動画とも相性が良い傾向にあります。さらに「美容やコスメに興味のある10代後半の若者」は、Instagramの利用率も高いと予測できます。
つまり、ターゲット層に向けた最適な広告配信として「美容」や「コスメ」といったジャンルでは、Instagram(中でもストーリーズ)への広告出稿は広告効果が高い可能性があると推測でき、自社のマーケティングにも活用することができるのです。
広告ライブラリの注意点
次に広告ライブラリを使用する上での注意点について、いくつかご紹介していきます。
広告掲載が終了したものは表示されない
広告ライブラリで検索した際に表示される広告は、「現在掲載されている広告のみ」になります。ですので、「過去に掲載していたものの現在は掲載されていない広告」については、広告ライブラリに表示されないため注意が必要です。
長期的に競合の広告クリエイティブを調査していきたい場合は、随時日付や広告レイアウトなどをまとめておく必要があります。
実際の広告表示と異なる場合がある
広告ライブラリでは、実際の広告とは若干異なるレイアウトで表示されることがあります。
例えばクーポン広告では、クーポンが非表示になるよう設定されており、クリックできない仕様になっているので注意が必要です。また、ダイナミック広告については、一部のサブセットのみが検索やインデックス化の対象になっており、全てのセットが表示されるわけではないので注意が必要です。
本記事で登場した覚えておくべきマーケティング用語とキーワード
それでは最後に、本記事で登場した覚えておくべきマーケティング用語やキーワードをまとめました。ぜひ覚えていってくださいね。
Messenger(メッセンジャー)
Facebookが提供するMessengerとは、Facebookユーザー同士がメッセージや通話のやりとりをリアルタイムで行えるアプリです。日本のLINEに近いメッセージアプリで、無料で利用することができます。
オーディエンスネットワーク
オーディエンスネットワーク(Audience Network)とは、Facebookが提携しているモバイルサイトやモバイルアプリに広告を配信できる仕組みです。オーディエンスネットワークを使えば、FacebookやInstagramだけではなく、数千もの質の高いサイトやアプリに配信することができ、より幅広いターゲットに広告を配信することが可能です。
LP(ランディングページ)
LP(ランディングページ)とは、Web広告や検索結果などからユーザーが最初にアクセスするページのことです。WebマーケティングやWeb広告の分野では、最初にアクセスするページの中でも特にサービス・商品の資料請求や問い合わせ、購入などのアクションを誘導する縦長のページのことをLPと呼びます。
クーポン広告
Facebookのクーポン広告とは、Facebookページや広告マネージャーから作成できる割引券のようなものです。広告マネージャーの使用方法がわからない場合は、Facebookページの管理者権限をお持ちであればページからも手軽にクーポンの作成が可能です。
オンラインだけでなく店舗用に作成することもでき、既存顧客の再来店を促したり、新規顧客を獲得するためにも使用できます。
ダイナミック広告
Facebookのダイナミック広告とは、複数の商品の中からユーザーに合わせた商品を自動で表示する広告です。広告のレイアウトは通常の広告と同じですが、事前に設定した商品カタログの中から、ユーザの興味関心に合わせた商品をオススメすることができます。
まとめ
本記事では、Facebookが提供する「広告ライブラリ」の使い方やマーケティング現場での活用方法について、解説してきました。
直接的に広告効果が確認できるわけではないものの、他社や他サービスの広告クリエイティブを確認することで、様々なマーケティング仮説を立てることが可能ですので、ぜひ一度見てみてくださいね!
また、FacebookやInstagramで一度見た広告を再表示させる方法は、こちらの記事で解説しているので、良ければこちらも見てみてください!
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